「行きたくない」なんて言われても私にはどうすることもできなくて・・・
ただいつのまにか涙が溢れてた。
「俺はアリーがすごい心配で・・・
置いていきたくない。でもつれてもいけない・・」
「ばかじゃないのっ。あたしはイリスなんかいなくても
一人で・・・平気・・・・・だ・・もん」
涙がとまらなくて、イリスは何にも言わないでただとなりにいてくれた。
いつにまにか私は眠っていて、
「おい!貴様・・・!!!」
という怒鳴り声に起こされた。
イリスもとなりで眠っていた。
顔を上げるとものすごい形相の兵隊さんがイリスをにらみつけてた。
時間になっても集合場所にいかなかったイリスを探しにきたのだ。
「来い!」
イリスは無理やり引きずられて連れて行かれかけた。
「行きたくない!おれは人を殺したくなんかない!!離してくれ!」
「うるさい!お国のためだ。口ごたえするんじゃない!!」
わたしはなぜか頭がぼーっとしていて、ただ眺めているだけだった。
イリスが車に乗せられた瞬間に頭が冴えた。
「行かないで。イリス・・・」
「アリー アリー アリー!!!」
私の声はイリスにはきっと聞こえてなかった。
「やだやだ。行かないで。置いてかないで。一人にしないで。
イリス、待って。行かないでぇ!!!」
枯れたと思った涙がまたこみ上げてきて、イリスがかすんできた。
「アリー!!」
「イリス!!」
『愛してる』
なんでこの言葉が急に出てきたのかわからなかったけど、
なぜかこの瞬間私はイリスを愛おしいと思ったんだ。
恋じゃないと思ってたのに、いつのまにか私は恋してたのかもしれない。だけどもう遅い。いまさら気づいたところで・・・
届かない
続きます。。。
※ここでは2018年5月17日のデイリー表示回数ランキングを表示しています。※同順位者が多すぎる場合はすべてを表示しきれない場合があります。